トリチウム問題ー2021年放射能汚染水海洋放出の撤回を求める

投稿日:
Facebookの記事より
4月13日 10:55
本日、政府が放射能汚染水の海洋放出を決めました。
1948年に国民の命と健康を守ろうと創設された医学医療保健の学術集団「新医協」は命の最大の脅威である戦争のない社会を目指して平和を求め核廃絶の運動も進めてきました。
世界の海を汚す汚染水の海洋放出に強く抗議して次のような声明を発しました。
2021年4月13日
日本政府が決定した放射能汚染水海洋放出の撤回を求める
                 新医協(新日本医師協会)
本日政府は汚染水の海洋放出を決定しました。
この決定に怒りを持って抗議し撤回をもとめます。
私たち医療と健康に携わるものは。人の命を守る必要から使わざるを得ない時だけ対象者との合意の下に放射線を利用しています。しかしそれをいつも最小限にとどめる努力をして国民の健康を守ってきました。
しかし国は平和利用の名のもとに原子力発電の安全神話を流布し、次々と発電所を造って
きました。そしてあの重大な東電福島第一原子力発電所のメルトダウンを起こし、世界に放射線を撒き散らすこととなったのです。
その上で、今回の政府決定は、事故後発生した大量の放射能汚染水を海に流そうとしています。
この海は人類の命の源であり世界の共有の宝でもあります。この宝の海を放射線でこれ以上汚すことは許されません。
私たち新医協は国民の、そして世界の生きとし生けるものの営みを守るために次のことを要求します。
1. 政府の汚染水海洋放出の決定を直ちに撤回して下さい。
2. 汚染水はトリチウムや放射性炭素が除去されておらず、有機化合物の存在も明らかになりました。このまま放流すれば魚介類への濃縮は避けられません。
堅牢なタンクに汚染水を保管し、例えば50年保管すればトリチウムは1/17に低下します。放射線量の十分な減衰が起こるまで待って最終処分を検討して下さい。
3. トリチウムの除去技術が飛躍的に進歩しており、その他モルタル固化など海洋放出しないで済む代替手段を採用することを求めます。
4. 「関係者の理解なしに汚染水のいかなる処分も行わない」(2015年8月政府声明)を履行して下さい。