麻糸と手漉きのはがき

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麻の糸を玉巻にするのに糸が滑ってどうしようもないので、芯にする滑らない紙は無いかと探したらものすごく滑らないいい紙を見つけた。10年前くらいに自分で漉いたはがきの一番汚れていたのをくるくると巻いて芯にすると思った通りいい調子。はがきの束を広げてみると、こんないい感じのものが残っていた。10年前、きれいなものを選って残った出来の悪いはがきだったけれど、年数を経て灰汁も落ち着いて、枯れていい感じじゃないか。そんな訳で,もったいないので芯は別の紙を探す事にした。

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この紙は蓬で暖簾を染めた時、煮出した残りかすの葉っぱを半紙とまぜて漉いたものだ。その時鉋屑の煮出したのやらつなぎを入れたらなかなか良さげな紙になった。バラの花びらだけで漉くと,ビロードの様な手触りの紙が出来ると聞いた。未だ試していないので機会があればやってみたい。ところで10年経っても蓬の煮出しかすの茎や葉にかすかに緑の色が残っている。大きなシダの葉は生で漉いたので茶色に成っているのに。灰汁煮出しの結果、色が定着したのだろうか。苧麻の緑を変色させないで残すのに参考にしよう。