糸紡ぎと和食

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ぼぉっとしながら紡いでいるとすぐに切れる。ガチガチに気を入れすぎてもすぐ切れる。糸をみているけれどみていない程々の所で、考えるでも無く考えないでも無く。ときどき、ああっと我に帰る。行事の後はなんにもする気が起こらない、放心状態は数日続く。今年の行事はもう終わったのだから、今しかないのに。今がチャンスなのに。とりあえず,銀杏の山を頭の片隅におきながら、庭の枯れ葉も見て見ぬ振りをして、今日は糸を紡ぐ。

 

今夜クローズアップ現代をみた。

~和食 無形文化遺産へ~ http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3426.html

ところで外食産業のていたらく、本当になさけない。日本の食文化をわやくちゃにしたのは外食産業だね。けれども、目を吊り上げて糾弾する資格など誰にもない。外食産業をそのようにしてしまったのは他でもない,自分たち国民だと言う事もきっちり自覚しなくてはいけない。

 

達磨忌を終えて、毎度の事だけれど、だんだんお寺に来られる人も減って、行事も簡素化されて、ともすれば無くなりそうになる中で、地元の食材を使った伝統的な季節の献立を作り続ける事が、やはり大切な文化の継承になるのだと改めて思った。誰にも求められていないのに,独りよがり満足しているだけなのかなどと思い終わった後は疲れ切ってこんな風にぼうっとしてしまっていたけれど、ちゃんとちゃんと続けようと思えた。何かとてつもなく大事な意味が有るのだと感じる。それは,糸紡ぎもおなじ。手織りも同じ。ああそういえばクローズアップ現代のキャスター国谷裕子(くにやひろこ)さんは、今日着物を着てた。和食の延長線上に着物の文化があり、そして畳の文化が有る。正座か。。

 

達磨忌の料理は配達する都合も有って折詰にしたけれど、いつもは「八十椀」と呼ばれる黒塗りの椀を使っている。これは修理に出されている八十椀へのリンク。古いお家なら,蔵の中に残っているはず。最近、色が少し変わってしまった飯椀を普段使いに使っている。