待つ

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最初はなんだか色が暗いよと、放っておいて、けど、さりげなく見える場所に常に置いておいたりすると、ああそんなに悪くも無いか、、まあまあかな。なかなか良いんじゃないかな、などと、そんな風にだんだん違って見えることが有るからすぐには結論は出さない。

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絞り染めの技法に、蛍絞りってのが有るのだけど、それは布の裏と表に丸い綿花を縫い付けて藍液にどぼんとつけたら縫い付けた綿花の場所がぽわと蛍の光のよう染まると言うモノなのだが、布の方はにじんで失敗したのに綿花の方は蛍の光ように染まった。少し薄汚れた分厚い織物は、そんな綿花に、春に収穫したぜんまい綿を混ぜて紡ぎ織った小さい裂。もうそろそろ10年くらいになるだろうか。

待つだけでは出会えないのだろう。

まあそれでもいい。

実家の押し入れに眠っていた、私が子供の頃に描いた油絵の自画像を見つけた父が、「なかなか良く描けている」と褒めてくれた。当時、描いたばかりの風景画を見せたら、色が死んでる。描き直せとパレットナイフで削り取ったことなんか、覚えてないんだろう。鳥取の何処そこに額縁屋が有るから持って行けと言う。。はぁ?。。自分で行くのかぁ。。無理。

オーバーオールで、少しきつい目でこちらを見てる。

16歳の自分を、思い出した。