アジアの糸車

木の殿堂に、民具の展示が有り糸車が展示されていた。
アジアの物はほとんど同じ形をしているが、紡錘の細工が参考になるので記しておく。

インドネシアの糸車


全体の姿は日本の物と良く似ている。車を回す糸(ハヤオ)がぶれないように
中心に棒を立て、糸を左右に分けている。

 
紡錘を固定する二本の棒の状態も日本の物と同じだが、紡錘の取り付けは後ろ側で
Pの字に作った棒を穴に差し込んだだけで紡錘を固定している。ハヤオで引っ張られるので
Pの棒は固定する必要も無く、適度な遊びが有って調整もしやすいかもしれない。試してみたい。


紡錘は、木あるいは竹を削って作られていて、紡錘に直に溝をつけてハヤオを掛けるようになっている。トウモロコシの芯が置かれているけれど、糸紡ぎに必要な物だったのか、生活感を出すのにたまたま置いたものか定かでない。

ミャンマー(北部)の糸車


おなじ構造でも装飾に各国の特徴が出てて面白い。やはりハヤオを固定する棒が有る。
これは棒に穴を開けてハヤオの上下を通している。紡錘は前にひもで結わえられている。


紡錘を固定する棒も、壷型でぼこぼこしていて扱いにくそうだけど、何か宗教的な意味の有る形なのかもしれない。紡錘へ糸を巻き取る所には木で作った円盤がついていて、紡いだ糸はそこが平たい「カブラ玉」の形になる。これは、丹波布の糸紡ぎの方法と同じだ。(ちゃるかもおなじ?)