私へ

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経糸の糊が乾いたので小枠に巻き取っている。今日整経にたどり着けるだろうか。今日は雪の予報だったが、おだやかなやわらかい日差しを見ながら織の準備を出来ることは何よりの誕生祝いだ。

と言いたいところだったが、今日はガンガンと頭が痛い。季節の変わり目がやってきたんだろうか。それとも、降るはずの雪(天気予報は外れたのか。。)が天上でストレスをためているんだろうか。そんんな事で3綛だけ巻き取って暖かい部屋で横になっていた。熱は無いのに痛みは絶好調で眠れないのでTVを見ていた。

ほっかむりをしたほほのつやつやとした年配の女性が映っている。新橋の駅前広場で靴磨きをして58年。春夏秋冬雨の日以外は早朝から夕方6時まで仕事をしているそうだ。使い込まれた手作りの道具と手慣れた見事な手さばきでビジネスマンたちの靴が見事に輝いてゆく。電車の音で言葉がかき消されるので、おしまいとありがとうの気持ちはは片手拝みの仕草で伝える。それが何ともかっこいい。86歳ですよ。目鼻だちのはっきりした丸いかわいらしい顔立ちにつやつやの肌。私もこんな風に年を取らなくっちゃ。頭が痛いって寝ていられなくなる。

「佐渡は良いよ。星がたくさん見えるから。死んだらね、故郷、佐渡島のの山桜の木になるの。もうその木も決めているのよ」

ニコニコとうれしそうだった。ちいさな人々の人生の中にこそ、希望が見える。