十薬

一週間税務のことで缶詰になり、気がついたらいつの間にか梅雨入りしてた。本堂の犬走りの周りの十薬が咲きそろっていて、干すなら今だよと言う声が聞こえて長いものから引き抜き干す。

一週間紡いでいないと不安になる。他の何もかも後に回して糸を紡ぐ。毎朝かき回す藍の色つやがとても良くて、きっと今ならいい感じで染まるだろうのに、肝心の糸がまだなのだ。

何もかも後回しと言っても畑の事は気がかりで、昨日の大風でトマトも亜麻もぐったりしている。トマトの支柱を太い物に替えて括り直す。綿はこの数日の間に黒い虫が食べているようで、所々双葉が消えている。今、あらゆる苗に黒い「きりうじ」と言う虫がついて若い葉を食べ散らかしているらしい。探すが姿は見えず。

ひな屋さんにこの前の終了作品の仕立てをお願いしていて、ぱりぱりの糊も程よく落としてくださったらしい。今日は柄合わせの事で連絡を頂く。特に背の内揚げに付いては、展示したときせっかくの柄の流れが途切れてしまうのでと、あちこち細かい柄合わせ確認の画像をメールで送ってくださる。素人見積もりで合わせにくいでしょうにと恐縮してしまう。半人前の反物が腕の良い職人さんの手でやっと一人前になろうとしている。