28日に山に行ってそれからずっとめまぐるしく準備が続いてやっと終わった5日の夕方には両足が疲れ果てて爆睡していた。考えたら2日ほど机に座ったままうたた寝をしたくらいで、横になって眠っていない。昨日は痛い足を引きずってだらだらと道具を片付け始めた。お客様を迎える頃まではなんとか持ちこたえていた玄関の牡丹の花はぐったりと、重い花びらを支えるだけで精一杯の様子で、私が歩くたびに散りそうになっている。
 最後の贈り膳を運び終えて参道をぽこぽこ歩きながら。「ああやっと織が出来る」って、小さい声でつぶやいたけど、すっかり誰もいなくなった玄関を見渡すと、机も糸車も見えない場所に片付けられて、ただ、どこにも片付ける場所の無かった機だけがぽつりと申し訳なさそうにいつもの場所に小さくなっている。

いっそもう、染める事も織る事もやめてしまおうか。

と、夕方、ごそごそと糸車を引っ張り出し、紡ぎ始めた。

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