建染染料のはなし

建染染料は水に不(難)溶で,そのままでは染色しにくいが,その分子構造中に特有のカルボニル基をハイドロなどの還元剤で還元する(これを「建てる」という)とアルカリ水溶液に可溶となる(これをLeuco化合物という).この中に繊維を浸して染めた後,空気酸化し,元の染料として発色させる.日光,水洗,洗濯,酸,アルカリに極めて堅ろうで色調も美しく,高級染料とされる(特に木綿に用いる).構造的にはインジゴ系とアントラキノン系の2つに大別される.中でも選択された堅ろう品種はインダンスレン染料またはスレン染料として多用される.
(生活環境科学の部屋/染料の種類http://www.nicol.ac.jp/~honma/color/dye.htmlより)
いずれ消えてしまうので掲示板から転記しておきます。

写真の暖簾はおなじ建染染料のなかまのインド藍とスレン染料で染めています。いぜん藍染めの衣料雑貨のメーカーにいた頃、色落ちの激しい藍染めに替えて、このスレン染料を「カラーインディゴ染め」と言って販売していました。藍とは打って変わって、堅牢度が優れているこの染料はいまでも日光、摩擦ではトップクラスです。藍で濃色~薄に染めた後まあるく絞りを入れて袋で縛り外側をスレン染料で染めます。一旦固着していた色は再び還元され外側のインド藍は溶け出してスレン染料のグレーに藍が少し混ざったブルーグレーに染まります。こうする事でぼかしの入った月の様な模様がうきでてくるのです。