栗の渋染め


今年も栗の渋皮煮を作ることに。この前藍の生の葉を  送って下さったSさんが、 渋皮煮の栗の渋汁で濃い茶色を 染めたお話を聞き、これはやってみなくっちゃと思い  せっせと皮剥きを。渋の汁は重曹をを入れた水で煮ると  見る見る、濃い赤紫になりました。3回くらいまでの煮汁が 結構濃いので、 少しの栗でも結構な染液が取れまし  た  仕上げに湯がく時間を利用して、その横で、  麻の大きめのコースターを染めることにしました。時々お箸でかき混ぜながら温度を上げ暫くして火を止め てさましながら色をなじませたあと、引き上げてさっと水で洗い媒染剤の中にひたします。

 

透明なのがアルミ媒染(みょうばん) 黒い方が鉄媒染(酢酸鉄)。時々動かしたり、引き上げながら 20分ほど浸けおきます。媒染剤から引き上げてさっと洗い 再び栗の渋液に浸し染めます。そしてまた媒染剤に。これを3度ほどくりかえし。洗って乾かし仕上げをします。

去年も渋皮煮を作っていましたが、渋の掃除に必死で、染めることなど考える余裕もなかった気がします。 染め物とお料理は、とても近しい関係です。 田舎にいて、昔ながらの手作りの食材作りを覚える度に、つくづくそう思います。山菜のあくを抜くための、灰汁や重曹 漬け物のための明晩、塩や酢、道具類・・・・その他いろいろ。

「手作り」を通して、昔の人々の歩いた道を探っていくと、ほとんどの事が科学的で理にかなっていて、無駄のない暮らしぶりが見えてくるようです。