日々のこと

以前の日記
染や織や
艸soh の日々のこと

2004年04月01日(木)
枝を切る時


昨日の事。桜の折れた枝を長い梯子をかけて切ってくれた。枝の3分の1ほどは、まだ繋がっていたので本当はもう少し木の上で咲かせてあげたい気もしたけど、私があまりにも物欲しそうに見つめる物だから、梯子がギリギリにしか届かない場所の枝を、無理な体勢で根気よく切ってくれた。落ちた枝は、意外に大きい物で、少しばかり先の花が落ちてしまったけれど、沢山の莟がついていた。



2004年04月01日(木)
生ける


桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿。。などと言う。折れた物にせよ、桜を切る事には、なにか罪の意識を感じてしまう。大きな枝ぶりを丹念に選定しながら、そうだ、皆に分けてあげよう。こんな事でもないとこの桜、生ける事はもう無いでしょうから。。。と思っていたら、近所の友人の子供が遊びに来たので、「桜は切ってはいけないけれど、この桜は雪で折れた物だからね、お母さんにあげてください」と言って渡した。お隣と、そして車を走らせ実家にも。暖かい場所の桜に比べるとつぼみも少ないけれど、生け花に切る事の滅多に無い桜に、みなとても喜んでくれた。私は、大きな株のところを頂く事にした。花が咲くまでこうして生けておこう。その後で、有り難くその樹皮を頂きます。花が咲く前と咲いた後。きっと色も変わるのだろうかなあ。。。でも私はそれで良い。



2004年04月02日(金)
ひだまり

樟の良い香りを漂わせながら小枝を切る
猫は周りでゴロゴロする



2004年04月03日(土)
花冷えで


開花直後からの花冷えで、桜は大きく開いたまま雨にも負けないでいる。生け花にした桜も開花した。枝を小分けにして残った太い幹から、垂直に伸びた小枝にも莟がついていてその唐突な感じがみょうに愛おしく、花器に合わせて幹を切り寝かせて生けた。病気?で葉っぱだけがぐしゃぐしゃと出ている小枝も一緒に。生け花と言うにはずいぶん散漫な形だけど、、ん、まあいいか。すくっと伸びた小枝の花がかわいいではないの。。と自己満足。

今朝のTVで椿の花びらで染めをしているのを見て、落ち椿でも良いからやってみましょうか、と思うも、予定が入る。個展の作品もなかなか思うに任せず、ちょっといらつきながら、おかきを作りお茶を用意する。



2004年04月04日(日)
母のお人形


足の手術も終えて体も気持ちも元気になった母が、今年もひな人形を飾った。4月になってからやっとこさ箱から出した。このお人形は一人っ子の母が大事に大事にして持ってきた物だ。このお顔が大好きで大事にしていたのに、子供達が(特に私が)触りまくって、着物を台無しにしてしまったそうだ。確か長い事ぼろぼろの着物だったと思う。私たちがいなくなってから、母が有り合わせの生地で着物を作っていた。「修理もしたいし、もっと良い着物を着せてあげたいのだけど、誰か探してきて」と言われたまま、何年もになる。この日ようやく写真を撮りに来た私に、母は、自分が死んだらこのいちまさんも一緒に入れてほしいと、私に告げた。うん、解ったから。と答えた。母が(あるいは父が)そういう事を言い出しても、すんなり受け入れられるような、お互いにそんな年になった事を、ぼんやりと考えた。



2004年04月05日(月)
落ち椿

朝から落ち椿を拾い集める。

昨日の夕方の事。花の染めはあまり染まらないと言う思い込みから、今まで染めなかったけれど、一昨日TVを見てて焚き染めをされているのを見て、今かな。。やってみようと思い立つ。ただし私は落ちた物だけ拾う事にした。やはりきれいに咲いている間はどうしてもつめない。少し茶色になっていたからどうかなと思ったが、肉厚の花びらは、まだまだ赤い色をたくさんくれた。

今日はお隣の赤い八重の椿も頂いて、2種類に分けてみた。さて、昨日の染めの上に絞りを入れてみようか。グレーの物は鉄媒染。桜色はアルミ。酢酸を入れて煮立てるので、素材はシルク。



2004年04月05日(月)
椿染め

ピンクより紫がかったグレーが美しい。。染液をこすのに使った未晒しの麻布にも難なく染まったのには少し驚いた。これぞ季節の染めだなあ。明日はヨモギと、クレソン(西洋せり)の緑の染めにに挑戦だ。どうぞいいお天気でありますように。

*クレソンはわさびではなく「せり」でした。オランダガラシともいうそうです。西洋わさびと同じくアブラナ科だそうですが、、、染まらないかも。。。



2004年04月07日(水)
絞り


絞り、こうして近づいて見ると、細かなしわと、偶然に出来た染め残しの文様にドキドキする。



2004年04月08日(木)
椿の色


朝な夕な椿を拾いにお寺の周りからお墓までくまなく回る。、赤いのもピンクのも少々茶色くなっていてもおかまいなしに、笊にこんもりするくらいの落ち椿を集める。草木染めは絹の染めには適しているが、綿麻になると、多くは濃色処理しないと染まらない事が多い。ところが前回にも記したように、濾し笊にしいた未晒しの麻の布がピンクに染まったので、ちゃんと染めてみる事にした。やはり良く染まる。何の処理もしていない布にしっかりとしみ込んでくれた。鉄媒染の紫がかったグレーは何とも上品な物だ。写真では紫の色目がどうしても写らないので少し手を加えている。「日本の伝統色」のハトバネズに少し紫がかった感じ。シルクではもう少し赤みが残っている。



2004年04月09日(金)
イタドリ<虎杖>


小さいときから「かっぽん」と呼んでいた。かじるとそんな音がするからか、食べると酸っぱい。最近は、小さなときに先の方だけ天ぷらに。もうこんなに大きくなった。今年は里の春が早いような気がする。地下茎は何時でも染められるそうで、茎葉は8月か9月頃の花穂が出始めた頃。



2004年04月09日(金)
クレソン<西洋芹・オランダガラシ>

やっとたどり着いた、クレソンに。川いっぱいに大きくなっている。以前はこんなには無かったのに。芹が小さくなって所々に生えている。厄介者のクレソンだけど時々摘んできて天ぷらにするのだけどどうもいやがられる。おひたしにしよう物なら見向きもされない。なんとか染まらないかと、か細い芹をよけながら少し刈り、灰汁で煮出すと黄緑色の煮汁が出たのでたくさん刈って染めて見る事にした。



2004年04月09日(金)
クレソンの染め

オランダガラシと言うだけ有ってやはり黄色に染まった。少し青み。濃色処理した生地だからか、一度染めた残液にも関わらずかなり黄色が強くなりすぎたようだ。やはり薬品の濃色処理。やめようかな。。どうもしっくり布に、糸に、しみ込んでないような気がする。

話がそれた。。いや本当に、びっくりするほどの黄色が染まった。セイタカアワダチソウもそうだけど、お邪魔な舶来物の帰化植物は何でも良く染まるみたい。強い生命力は色にも現れるのかな。出来ればこれ以上種を飛ばさないためにも、よく刈り取り利用したい。



2004年04月10日(土)
巻き上げ

絞りの一種に「巻き上げ」と言うのが有って専用の台を使い小さな巻き上げ絞りをいくつも、素早く仕上げる事が出来る。今までもたまにやってはいたものの、専用の台が無いのでとっても時間がかかっていた。今すぐ絞りたい模様の数の多さにくじけそうになり、改めて絞りの教科書を広げて一からやり直してみる事にした。巻き上げ台なる物の代用は無いのかとあちこちさがしまくる。灯台下暗し。。目の前にいつもぶら下がっているではないの「かけはり」が。玉止めを針金のピンに引っ掛けるかわりに挟むだけで糸は抜け落ちないし、早い。糸をころに巻くのは糸車が役に立った。

クレソンを煮出す強烈なにおいのせいか、涙腺が緩い。いけないいけない、まどろんでいる場合では無いと、言い聞かせる。



2004年04月12日(月)
さくらさくら


物干のロープに薄い絹の布を干す。吹きだまりの桜の花びらをかき集め、かき集め、染まった布は、残念ながら桜色ではなく黄みがかったベージュ。落ちた花びらは、もう大分色あせていたけれど、やはり咲いている花を摘む勇気はなく、代わりに椿の赤みを頂いた。風にたなびく布を下から見上げたとき、大きな風で布が膨らんだ。



2004年04月12日(月)
ひこうき雲

晴天の日暮れ前の空に、ひこうき雲が空の端から端まで伸びている。こんな長いのは今まで見た事が無かったような気がする。水曜か木曜に大雨がくるかも。。。染め物、急がなくてはいけないな。

いつも元気にものつくりが出来る訳じゃなくて、何もかも混ぜこぜにして苦しくて悲しくて、でもせき立てられるようにものつくりをする事も有る。「ナーバスになるときもあるから、こういうのも作れる?」と言う言葉に、9年前の同じ時期の、ひとりで染めを始めたときの事を思い出している。心の中のなにかが、ぱちんとはじけて出てくるようなそんな瞬間が、今もまたそう言う時なのかもしれない。



2004年04月14日(水)
藍の芽が出た

今日は雨のち曇り。少し寒い日。大きな雨は台風の事だったようだ。此処には来ないもよう。

藍の芽は、数日前からすこしづつ出ていたみたい。でも今日は寒いのでじっとしている。昨日の仕事は水に流した。(本当にざぶざぶ洗って流した)触れば触るほど怪しくなってきたので、被害が小さいうちに一か八かでやってみると、少し回復した。良かった。。。と言う事で今日はのそのそしている。



2004年04月15日(木)
桃の花びら

雑草に桃の花びらが落ちて、何とも美しいではないの。。と思わずカメラに収める。桃も満開を過ぎちらほら散り始めた。この梅は私が食した白桃だったか。。岡山桃子(ブランド名です)かな?去年は5個ほどがピンポン球よりも大きくなったところで、台風が来て皆落ちてしまった。今年実がついたら袋を掛けてみようか。



2004年04月16日(金)
桃の横で

椿の布を干す。椿で染めた椿の花。。いったい何日椿に費やしただろう。もうそろそろ終わりだからと思うとやめられない。でも今日で終わり。明日からの晴天は柿渋を染め無くては。連休の事をまたもやすっかり忘れていた。整理屋さんも縫い屋さんも止まってしまう。材料屋さんもお休みになってしまう。何もかも前倒しにしてかからないと、得意の「ディスプレイしながらお針子」になってしまわないように。



2004年04月16日(金)
酒蔵

今回の展示場になる以命亭のギャラリーは昔酒蔵だったところで、ふとい梁がむき出しの天井には、酒をしぼるための圧搾機と思われる太い棒が、つり下げられている。壁面は展示のためのパネルで覆い尽くされては居るが、入り口には神棚が祭って有りいかにも酒蔵らしい。(そう言えば酒蔵は女人禁制だったな)

この棒の下には柿渋で染めた物を置こうと決めた。昔お酒をしぼる袋には柿の渋が塗られていた.清澄剤。防湿・防カビ剤。補強材といった効果がある。「酒袋」が新しい素材に取って代わられてから骨董屋の片隅に積まれていた物が、人々の目に留まり趣味のバックや袋物、帽子などに形を変えて今も人々に愛されている。私が酒袋というものを知ったのもこの頃からだ。

母屋の展示場の片隅に古い糸車を見つけたら、無性にこれを使えるようにしたくなった。木の部分はかなり虫食いが有るけれど、やはり竹の車は痛んでは居ない。そのとき、此処に糸車を持ち込んで仕事をしようと決めた。酒蔵で仕事するなんて無い事だから、良い機会だ、会場につめている時間も糸がたくさん紡げる。織り機も置きたかったが、これはまだまだ人前で見せられるような物ではない。いや、糸紡ぎだって人様に見ていただくような物ではない。寺田寅彦氏曰く「不規則に節くれ立った妙な滑稽(こっけい)なものにできそこねてしまうのである」と、ほとんど一緒なのだからな。まあ、それも良いか、、完璧を待っていたら、何時になるやらだ。

結構今楽しんでいます。



2004年04月18日(日)
竹の子


朝に竹の子を掘る。鍬をうまく使えない私も、スコップなら簡単に掘り起こせるので、去年から自分で掘っている。2〜3本みつけて掘り始めても最後は5倍くらいにはなっている。柔らかそうな形の良い物は、日頃お世話になっている方々への贈り物に。残った巨大なのや、固いのは家用に。



2004年04月18日(日)
茹で準備

薪で焚こうかと思ったが、くどの周りに染め材料やらが散乱していて、まあ良いか、少しだからとガスにした。土を洗い。先を斜めに切り落としたてに包丁を入れ、少しだけ皮を落とした竹の子を鍋にきっちり並べて、水を入れぬかを入れ唐辛子を入れる。おとしぶたをして、さらに上蓋をして茹で始めた。明日は瓶詰めをしなくてはね。



2004年04月18日(日)
柿渋染め

今日は夕方から曇りだと言うので晴れ間のうちに柿渋を染める。今までの力強い柿渋とは違う雰囲気にならないかと、あれこれ試す。霧で水を吹き刷毛でぼかすと、濃いめの柿渋もふっとぼけて、優しくなった。「しけ刷毛」を今年は新しく購入。揃った刷毛先は繊細な刷毛足を描いてくれた。小さな座布団用なので一反に4個分つながっている。



2004年04月21日(水)
水の染め

とうとうひと月を切ってしまった。
毎日がよいお天気が続き、水が恋しい季節になる。藍を染めるのはとても久しぶりだ。どうも寒いと染める気ががしないのは季節のせいで、やっぱり藍は夏の色だな。手を水につけるのが心地いい。藍色に染まった布は水の仲が一番良く似合う。柿渋が「太陽の染め」なら藍は「水の染め」だな。水の中の藍は一番きれいだ。出来る物ならこのままで展示したいものだ。



2004年04月26日(月)
元気です

むかしそんなタイトルのアルバムが有ったなあと、思い出しながら。。ずいぶん書かずに居たら、日々の事が日々の事でなくなってしまう。極端に少ない睡眠時間にもなれたかと思ったら、お口の周りに「けんびき』なるものが発生し、少し脱線したものつくりの軌道も修正せねばならない状況。こちらの事情などおかまいなしで、にょきにょき、竹の子は最盛期を迎えている。心の中ではぶつぶつ言いながら茹でる準備をすると、何とも美しいではないか。またもや染めずに居られなくなる。



2004年04月26日(月)
竹の子の皮の染め


アジアの何処かの国で、竹で染めをしている日本の女性が居る。輝く白、いろんな白を染めている。とてもはかないけれどその色は何らや光を放っているようにも見える。

灰汁の強い竹の子の皮ならばもう少し違うような染めになるかも。。最初は薄緑に見えた煮汁が後になるとクリーム色のなって来た。紙の糸を浸すと、さっと柔らかな色が染まった。



2004年04月27日(火)
DM


やっとDMが出来た。いろいろ思い悩んだ末、ふっとわき出た「モノ」が、何やら面白く、やたらと写真を撮りまくり、後は人任せにしてみた。出来上がったものはさほど手を加えては居ないけれど、あたりまえに、まっすぐで妙に新鮮で、力強い。この後にまだ残している制作にも影響するだろうな。。。頭の中に新しいイメージが沸々とわき出して来た。もう一枚の布のDMもかなり良し。最近の動きからどうぞ。



2004年04月28日(水)
すごいでしょ。

DMの物体は、これ。たまたま、すごい画像が取れた。この遠近感の絶妙な技。紙の糸は滑って落ちて、どうしてもかせから糸巻きの道具に巻き取れないので、仕方なく手作業でたまに巻いていた。みるみるまん丸く糸玉が出来る。「ああ、こうやって、毬はできるのだな。。」と根気よくかせを巻いて行くと直径15cmほどの玉になった。眺めているうちどうしても藍で染めたくなる。朝まで待って染めてみた。手巻きなので、ちょうど良い加減に隙間があって、芯の方まで染まっていたのは、やっと今日、これを全部ほどいて分かった。絣の面白い糸になっていた。これを織るのがまた楽しみだ。

日経新聞記事より、紙の糸の話題を拾う

<王子製紙が繊維に本格進出、紙糸との複合糸を開発>
王子製紙は衣料用繊維事業に本格進出する。木材パルプなどで作った紙の糸と天然・化学繊維の糸を複合した製品の開発に成功した。従来の糸より軽くて毛羽が立たないのが特色。国内の繊維市場では中国などからの安価な輸入品が増えているが、高機能、高品質の素材への需要も大きく、製紙の技術が応用できると判断した。近く全国の織物メーカーに販売を始める。

複合糸を開発したのは王子製紙グループの王子ファイバー(東京・中央)。紡織機械メーカーのオゼキテクノ(愛知県一宮市)と組み、紙糸にポリエステルやレーヨン、綿など六種類の糸を混紡できる技術を確立した。紙糸とレーヨンを複合した糸で衣料を作った場合、重量を2割ほど軽くできる。コートやジャケットに向くと見ている。王子製紙は江別工場(北海道江別市)で紙糸を本格生産する。オゼキテクノに紙糸を供給して専用設備で複合糸に仕上げる。2004年度の製造見込みは30トン。織物メーカーへの供給価格は1キログラム当たり2500円前後の見通しだ。王子製紙は数年で年商20億円規模の事業に育てる。



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