苧引き

苧引きは、長いまな板の短い一辺に横木を打ち付け、苧を浮かせる様に削いでいくようなのだが、栽培種のように真直ぐに育っていない山苧は繊維がよじれていたり、途中で傷が有るものも多くて巧くそげなかった。別冊太陽の日本の自然布と云う本の中に、韓国の苧引きの写真が有りあちらではまな板を使用しないで左手に苧の根元を持ち右手に鉄製の小刀を持って器用に剥いでいる。山苧は頑丈でこんなに簡単にはできないかもしれないけど、そうだ、散髪屋さんがなめし革でカミソリを研いでいた、あの感じで剥けばどうだろうと大きなクリップを探して目の高さの棚板に固定する。左手で苧をピンと張り片手に果物ナイフを持ってやってみたら結構いい感じですいすいできた、歪んだとこも、裂け目も、持ち手をちょっと動かしながら皮のゆがみにそわせて剥いて行ける。採取、皮剥き、水晒し粗苧剥きの行程は一日で終えた方が良い。やむなく午前中絣をお休みして(午後に行き少し織を進ませた)、夜にほぼ剥き終えた。