欅の落ち葉で染める

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庭に落ちた欅の落ち葉を集める。なるべく新しく色の鮮やかなものを選んでかごに入れてゆく。昨日は箒でかき集めてしまって他の葉やゴミを取り分けるのが大変だった。しかも雨でぬれてべちゃべちゃときた。からりと乾いた落ち葉集めならこれも楽しい作業なのだけどね。

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集めた葉をひたひたの水に入れ、今回は木綿を染めるので、灰汁を少し入れてすこしアルカリ性にして煮出す。シルクとかウールの場合は灰汁を入れないで煮出す。葉っぱに水をひたひたに入れ沸騰して20分煮出す。これを3度繰り返し、集めた液に一度お湯を通してしぼった布を入れて再度温度を上げ20分ほどゆるく煮る。火を止めて時々動かしながらさます。温度が下がってゆきながら,色が定着してゆく。手を入れられるほどにさめてから軽くしぼり,媒染液(今回は明礬)に入れてもんだり広げたり引き上げたりしながら20分。軽くしぼり水でよく洗う。もう一度、染液に戻し15分くらいゆるく煮る。火を止めとり出し水で洗う。気に入った濃度になるまでこれを繰り返す。詳しい媒染液の話しはまた次回。

Q&A
≫集めた葉っぱの量は?
写真のざるに軽く一杯ほど。ざると写真の鍋の大きさは同じで直径が25cmです。鍋の液の写真の様に、けっこう濃い色がとれます。この量でひたひたの水は一回2Lほどです。この液は計6Lほどです。使った布は短いカフェエプロン一枚。染めるものが液の中で泳ぐほどが適量です。薄い色を染める場合は薄めて、濃い色なら葉っぱを多くします。濃くなりすぎたからと言って,短時間で引き上げると色の堅牢度が落ちます。
≫なぜ灰汁(アルカリ)を入れて煮出しますか?
基本的には中性で煮出し、中性で染めますが、濃い色が出にくいときや、特殊な色を抽出する時使用します。アルカリに強い綿や麻の場合は、弱アルカリで染める場合も有ります。この時、絹やウールは、煮出した液を中性に戻してから使用します。
≫綿と絹の違い、気をつける点は?
動物性繊維の絹やウールは草木染めでとても良く染まる素材です。中性~酸性で染まります。アルカリに弱く特にウールはフェルト化します。植物性繊維の綿や麻は、絹やウールの様に濃く染まりにくい素材です。特に綿は農色処理や下染め(タンニン下地など)が欠かせません。麻は生成りであれば下染めしなくても濃く染まる場合が有ります。どちらもアルカリに強く、藍染め等でよく染まります。