教える事は教わる事なり。

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絞り染めにもいろいろ有って、生地を糸で縫いきゅっと絞るものや、糸でぐるぐる巻いて絞るものやいろいろ有る。中でも、板締め絞りは、型染めの規則正しさ連続性と、手書きの曖昧さと、絞りぎわの独特な味が他には無い面白さが有る。小さくたたんで染めるので、経験が無くても,比較的大きなものまで染められる。そして、ムラや、折り畳む寸法の誤差は、ダメージではなく,むしろ良い効果を生む場合が多い。

久しぶりに,ほんとに久しぶりに,二色染めの板締めをした。そういえば,草木の色だけで染めるのは、はじめてだと思う。ケヤキの落ち葉と、タマネギの黄色。前回のおさらいの意味で,タマネギの黄色を選んだ。タマネギは特別色素が多いのでちょっと違和感が無くもないが。明日はお天気悪そうだし,色だけでもぱっとさせてもいいでしょう。染め上がって板を外すまでは,まあこんなもんかと思う。そして板を外し,白場がぱっと見えると顔もほころぶ、そして全てを広げて光にかざしてみる時のうれしい事。一人にやにやする瞬間。

板締めは、少し飽きた自分をリセットするために,長い間封印していた。染織教室の教材にしようと決めてやってみると、はじめて板締め絞りをした時の感動を思い出した。誰かに教える事は,本当は自分のためなのだと思う。