冬に向かう

 

みどりの綿がはじけ始めた。日中の暖かさでか、新たに枝をのばし莟をたくさん付けている木も有って、そろそろこいでしまわねばと思ったけど、せっかくなのでまだそのままにしている。

今日から托鉢が始まり、雲さんは、毎年同じ日の早朝に同じ場所に出かけていく。11月3日のだるま忌に向けて。看板袋に施しのお米を頂き2時間ほどで帰って来た。托鉢に行く前の姿をカメラに収めたい気持ちはやまやまだが、カメラを向けてはいけない事の様に思えて一度もちゃんと撮った事が無い。いや、一度だけ、本山から修行僧のかたがたが来られた時、一度撮っていた。こことかこことか。この托鉢が終わる11月の初めに、必ず初雪が降る。もう冬なのだね。

私はと云えば、月末東京で甥っ子の結婚式があるので、母の衣装、自分の衣装の段取にしばらくじたばたしていた。そうそう、忘れずに和尚の衣装の丈揚げもしておかなくては。母は足腰が弱っていてとっても着物が着れないというので洋服にしたのだがずいぶん太って殆どの礼装が着れなくなっていた。既製品も殆どだめでそれならと、良い生地をネットで探し京都の友人に縫ってもらう事にした。新郎の母で有る姉と、妹は留袖を着ると云うので私も留袖を着る事になり、この際仕立てる事にした。まあ後3+4=7人居るので無駄にはならないでしょう。それに、今度もしまた海外で展示会をするときは絶対着よう!などと、思ったり。たった数時間のお祝い事のために出費がかさんでしまったなぁ、、と考えるともったいない様だけど、お祝いを入れた豪華な水引の付いた祝儀袋を眺めながら、「これだって、無駄な様だけど無駄じゃないんだよな。。」などと思う。

そうこうしているうちに、昨日ひと月近くかかって縫い上げた着物が届いた。うんなかなか良い柄だと一人うっとりする。着物って良いよなぁ。似合うかどうかは別として。