おひなさん


三人娘が嫁いでからも毎年飾っている。大きなお人形は母のもの。大きな「いちまさん」は、母の自慢のお人形だ。きれいな着物も汚して、きれいな顔を真っ黒にしたのも「しょうがからい」私だったそうだ。ちょっと前に父が消しごむでせっせときれいにしてくれたらしい。一人っ子の母の、大事な姉妹だったみたい。私たちが小さな頃はおひなさんは子供たちのもので、今ようやく母のもとに還り、まあそれはそれは、とてもうれしそうだ

着せ変えた着物の布、、振り袖の古いのでもありそうなのに、安っぽいプリントの生地見本で作ってるのは、人形と古い生地見本がセットで母の思い出の品なのだ。