数日がかりで紡ぎ終えた弓ケ浜綿の手紡ぎ糸をお湯で煮て撚り止めしたあと綛にとっておく。1g=1.7mとする英式番手で調べる。12番手から9番手、初期のものは慣れない事も有って太さにムラが有る。やや太めなものは綛のまま置いておき、細めのものから経の準備をする。数日後に、残しておいた太めの糸を小枠に巻こうとすると、途中でするすると糸が抜けてしまう。すぐ染めるのならばのり付けまで持ちこたえられるが、このままでは緯絣の整経はできない。糸車で追撚りをする。よりはなるべく掛けすぎ無いように、でも抜けない、ほどほどの一線を何度も検討して撚りかけを決めた。インド綿で紡いだ糸はあまり考えなくてもこんな風に抜け落ちる事はなかったように思う。インド綿の撚りは安定していて、糸もつるりとした感触で、しんなりとしている。弓ケ浜は繊維も太く短くて、ちょっとがさがさしていて弾力が有る。太めの糸は紡いだはなから繊維が戻ろうとする感じがしていた。割と細く紡いげた糸はかっちりとして強靭な感じがして、戻り感は有るが抜け落ちる感じは無い。

同じように紡いでも、繊維の太さと長さ、弾力性としなやかさによって、随分と性質も変わる。そのため扱いも気をつけねばならない。一番の課題は、その繊維の持つ性質にどの太さどれくらいの撚りが最適なのかを探す事だ。その綿がどんな布になりたがっているのか、(なりたくないかもしれない)注意深く耳を傾けてみる。

追記
手紡ぎ糸を生成りのまで整経する緯絣は、でんぷんでうす糊を付けておいた。整経、括り作業時に、万が一糸が切れては困る。染色時には重層か灰汁で糊を落としてから染色をする事を忘れずに。弓ケ浜絣の工房ではどんな風にされているのだろう。早いうちに一度見学に行きたいと思う。

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